空き家を放置するとどうなる?片付け・活用・売却の選択肢
相続した空き家を放置すると、固定資産税が上がる・建物が傷む・近隣に迷惑がかかるなどのリスクがあります。相続登記の義務化を含めた注意点と、片付け・活用・売却の選択肢を栃木の相談員が整理します。

相続した空き家、そのままになっていませんか
相続などで空き家を持つことになったものの、「気にはなっているが、手をつけられていない」という方はとても多くいらっしゃいます。
栃木県内でも、ご両親が住んでいた家をお子さんが県外で相続し、年に数回様子を見に行くだけ——という状況をよく耳にします。誰も悪くないのに、時間だけが過ぎていくのが空き家の難しいところです。
ただ、空き家は放置するほどリスクと費用が増えていきます。何が起きるのかを知っておくだけでも、判断がしやすくなります。
放置によって起こること
建物が急速に傷む
人が住まなくなった家は、驚くほど早く傷みます。換気されないことで湿気がこもり、カビや腐食が進みます。屋根や雨どいの不具合に気づけず、雨漏りから内部が一気に傷むこともあります。
傷んでからでは、活用も売却も選択肢が狭まります。 解体費用だけが残る、という結果になりかねません。
固定資産税が上がることがある
住宅が建っている土地は、固定資産税が軽くなる特例(住宅用地特例)の対象です。ところが、管理が行き届かず**「特定空家」や「管理不全空家」に指定されて勧告を受けると、この特例から外れます**。
その結果、土地の固定資産税が最大で6倍程度になることがあります。「建物を残しておけば税金が安い」と考えて放置すると、逆の結果になりうるということです。
近隣への迷惑と責任
雑草や庭木の越境、害虫、放火、不法投棄、動物のすみつき——空き家をめぐるご近所トラブルは実際に起きています。
さらに、建物の一部が飛んで人や車に被害を与えた場合、所有者が責任を問われる可能性があります。台風や大雪のあとは特に注意が必要です。
相続登記をしないと過料の対象に
2024年4月から、相続登記が義務化されました。不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に登記をしないと、正当な理由がない場合に10万円以下の過料が科される可能性があります。
「名義は親のままだが、実質うちが管理している」という状態の方は、まず登記の確認から始めてください。名義が整理されていないと、売ることも貸すこともできません。
まず「片付け」から始める理由
活用も売却も解体も、家財が入ったままでは前に進みません。
- 不動産会社に見てもらうにも、室内が見える状態が必要です
- 買主・借主は、残置物のある家を敬遠します
- 解体する場合でも、家財が残っていると処分費が上乗せされます
そして何より、片付けてみて初めて家の状態が分かります。「雨漏りがあった」「思ったより傷んでいなかった」——判断材料が手に入るのは、片付けたあとです。
順番としては、片付け → 状態の把握 → 方向の決定が確実です。「どうするか決めてから片付ける」と考えると、いつまでも決まりません。
3つの選択肢
貸す
住み続ける人がいなくても、収入を生む可能性があります。ただし貸せる状態にするための修繕費がかかることが多く、費用対効果の見極めが必要です。地域によっては借り手が見つかりにくいこともあります。
売る
管理の負担から解放される、最も確実な方法です。建物付きで売るか、解体して土地として売るかで手取りが変わります。古家付き土地として売れる場合もあるので、解体を決める前に不動産会社の意見を聞いてください。
なお、一定の要件を満たす相続空き家の売却には、譲渡所得の特別控除が使える場合があります。適用条件が細かいため、税理士や税務署にご確認ください。
解体する
土地として活用しやすくなりますが、解体費用がかかり、更地にすると固定資産税の住宅用地特例が外れます。売却の見込みが立ってから解体する、という順番が無難です。
迷ったときの考え方
3つの選択肢で迷ったら、次の順に考えてみてください。
- 使う予定はあるか(自分や親族が住む・別荘的に使うなど)
- 持ち続けた場合、管理を誰がやるか(草刈り、換気、点検を年に何回できるか)
- 維持費(固定資産税・保険・交通費)を何年払えるか
「いつか使うかもしれない」で持ち続けると、費用だけが積み上がります。期限を決めて判断することをおすすめします。
ひとつの窓口で整理を
空き家の問題は、片付け・不動産・解体・登記と、関わる相手が多岐にわたるのが厄介なところです。それぞれに連絡を取って比較する時間が取れず、結果として放置される——というのがよくある流れです。
当窓口では、まず片付けをお手伝いし、そのうえで不動産・解体・専門家への窓口をひとつにまとめてご案内しています。作業をしない中立の立場なので、「解体ありき」「売却ありき」の提案はいたしません。
遠方にお住まいで現地に行けない場合も、写真でのご報告を行いながら進められます。
まずは「うちの場合はどうなのか」を整理するところから、お気軽にご相談ください。
※ 税制や法令の取り扱いは改正されることがあり、個別の事情によっても異なります。実際の判断にあたっては、市町村の窓口や税理士・司法書士等の専門家にご確認ください。
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