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大谷石の塀と蔵をどうするか。栃木市の撤去補助と、震災で分かったこと

東日本大震災では栃木県内で1万1千件以上の石塀・ブロック塀が倒れました。大谷石の塀や蔵の撤去には栃木市の補助が使えます。市のごみに出せない点も含めて、栃木の相談窓口が整理しました。

カテゴリ:空き家 / 2026.09.16
傾いた大谷石の塀と、補修された塀を並べたイラスト

実家の塀、少し傾いていませんか

空き家の見回りに行ったとき、家の中よりも先に気になるのが塀です。

栃木県では、大谷石を積んだ塀がよく使われてきました。宇都宮市大谷町で採れる石で、加工しやすく、味わいがあり、身近な建材として長く親しまれてきました。

ただ、多くは建てられてから50年以上が経っています。そして、倒れると人に当たります。

震災で、県内1万1千件以上が倒れました

東日本大震災のとき、栃木県内で1万1千件以上のブロック塀・石塀が倒壊しました。これは県が公表している数字です。

さらに、震災直後に行われた実地調査で、気になることが分かっています。宇都宮市・真岡市・芳賀町・高根沢町の27件を調べたところ、23件に被害がありました。そして調査した塀の多くが、

法規上は鉄筋で補強すべきところ、無筋で施工されていた

という状態でした。外から見ただけでは分かりません。

同じ4段積みの塀でも、同じ敷地の同じ向きで、倒れたものと無事だったものがありました。施工の良し悪しで結果が分かれたということです。

蔵の場合は、壁が外へ倒れます

大谷石の蔵にも、似たことが起きました。

被害の多くは「臥梁(がりょう)が入っていないために、壁が外へ向かって崩れ落ちる」というものでした。臥梁とは、石を積んだ壁の上部をぐるりと固める梁のことです。これが無いと、揺れたときに壁がばらけます。

宇都宮市は平成30年に、大谷石の建造物について耐震診断・補強のガイドラインを策定しています。それだけ、地域に多く残っているということでもあります。

撤去には、補助が使えます

塀の撤去には、栃木市の補助制度があります。ブロック塀だけでなく、大谷石の塀も対象です。

栃木市 ブロック塀等撤去改修工事費補助金

内容
対象 補強コンクリート造の塀、組積造(石造・大谷石造・レンガ造など)
条件 道路に面し、地盤面からの高さが80cmを超えるもの
補助額 総工事費と「1mにつき18,000円」の少ないほうの3分の2
上限 建築基準法上の道路に面する場合 15万円
通学路に面する場合 20万円

通学路に面している場合は上限が上がります。お子さんが通る道に面した塀は、優先して対応してほしいという趣旨です。

宇都宮市にも同様の制度があり、こちらは石積塀・大谷石塀が対象で、スクールゾーン等では補助率4分の3・上限22万5千円と、さらに手厚くなっています。

補助の条件・金額・受付期間は年度によって変わります。必ずお住まいの自治体の最新の案内をご確認ください。

大谷石は、市のごみに出せません

撤去を考えるうえで、必ず知っておいていただきたいことがあります。

栃木市のごみの分別早見表では、次のものは「収集できません」と明記されています。

石・岩/コンクリート/ブロック/レンガ/瓦/建築廃材/砂

大谷石はこの中に入ります。とちぎクリーンプラザへの持ち込みも、破砕が難しいものは受け付けられません。

つまり、**市のルートでは一切処理できません。**民間の業者に依頼することになります。

「少しずつ割って粗大ごみに出そう」と考える方がいらっしゃいますが、**その方法は使えません。**そして石は非常に重く、ご自身で運ぶのは現実的ではありません。

判断の目安

すぐに動いたほうがよいのは、次のような場合です。

  • 道路や通学路に面していて、傾いている
  • 上のほうがぐらついている、押すと動く
  • ひび割れが入っている、目地が崩れている
  • 蔵の壁が外側にふくらんでいる
  • 空き家になっていて、誰も見ていない

とくに空き家の塀は要注意です。倒れて人や車に被害が及んだ場合、所有者の責任が問われます。ご自身が遠方にお住まいでも、それは変わりません。

一方で、急がなくてよい場合もあります。しっかりした施工で、傾きもひび割れもなく、道路に面していない塀であれば、すぐに壊す必要はありません。

判断がつかないときは、写真を撮って送ってください。 見たうえで、急ぐかどうかをお伝えします。

空き家の片付けと、まとめてできます

塀の撤去だけを単独で頼むと、業者を探すところから始めることになります。

空き家の片付けや蔵の整理と同じタイミングでまとめて進めれば、段取りは一度で済みます。当窓口は、こうした複数にまたがる作業を窓口ひとつでお引き受けするためにあります。

  • 家の中の家財整理
  • 蔵・納屋の片付け
  • 大谷石の塀の撤去
  • 建物の解体(提携業者をご紹介します)
  • 使える補助制度の確認

これらを別々の業者に頼むと、そのたびに説明し、日程を合わせることになります。一度で済ませたいというご要望が、当窓口をご利用いただく最も多い理由です。

まずは現状を見せていただくところから。ご相談・業者のご紹介は無料です。


この記事で触れた制度・資料の確認先

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